保存管理

Conservation

「佐渡銀山往時之稼行絵巻」(佐渡市教育委員会所蔵)

新潟県「佐渡島の金山」世界遺産会議

新潟県と佐渡市は、資産の保存や活用及び資産の周辺環境の保全などの調整や協議を行うため「佐渡島の金山」世界遺産会議(以下「世界遺産会議」)を設置しました。世界遺産会議は、重要な事項を審議し、地元の意見を決定する役割を担っています。

「佐渡島の金山」世界文化遺産学術委員会

学術的、専門的な見地から資産の保存管理、周辺地域の保全について指導・助言を行うため、「佐渡島の金山」世界文化遺産学術員会を設置しました。世界遺産学、考古学、景観、建築などの様々な分野の学識経験者で構成されています。

保存・活用のための計画

世界遺産会議では「佐渡島の金山」を将来にわたって守るため、保存管理・整備活用に関する様々な計画を定めています。

・包括的保存管理計画: この計画は、島の広域に分布する資産の一体的な保存・活用の基本方針・方法などを定めたものです。
世界遺産会議を構成する「佐渡島の金山」包括的保存管理計画推進会議では包括的保存管理計画に基づき、経過観察の取りまとめを行うとともに、事業の実施状況などを確認し、関係者の合意形成を図りながら資産の保存管理及び活用を適切に進めています。

遺産影響評価の実施

遺産影響評価(Heritage Impact Assessment)とは、世界遺産に登録された資産の範囲、緩衝地帯及びその周辺において計画された開発事業等が世界遺産の価値に与える影響を事前に評価することです。

現在、関係地方公共団体では、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)や文化庁による遺産影響評価の考え方を参考としながら、「佐渡島の金山」の資産を持続的に保存・保全するための遺産影響評価の方針や手順等を示した「世界遺産「佐渡島の金山」遺産影響評価 運用マニュアル」の策定を進めています。
資産及び緩衝地帯とその周辺地域における開発事業についてその計画段階で事業者と協議・調整などを行うことで資産の価値に負の影響が及ぶことがないようにする、もしくは影響を最小限度にするための方法を導き出し、保護・保全と事業実施の調和を図っていくこととなっています。